ディギンタvol.1和田メリヤス続編
前略
「社会貢献のためファッションを楽しむあなたへ」
ファッションの楽しみ方は千差万別
自己満足のために着飾る人、生活するなかで最低限の着こなしをする人、平和信仰を願うため、または反骨心のために着る人など、少々話が大きくなりましたが、色んな思いをもっています。
不自由がない日本に生まれた僕らは、ファッションをするにしても不自由はなかった。
不自由がないからこそ、ファッションを楽しめるというありがたさを感じづらかったりもする。
もう少し踏み込んだ話をします。
僕らが普段着ているTシャツを作るのに2,720ℓの水が必要で、デニムの場合は1万ℓ以上だそうです。人が一日当たり最低限必要な水の量を1ℓ(持ち出し用の防災リュックには最低1ℓ入れておいてほしいと言っています)とすると、服を作るのにかなりの水が消費されていることわかるかと思います。
よくTシャツに使用されるコットン。原料である綿花には虫がつかないように消毒をします。この殺虫剤の使用により毎年数万人の死者、100万以上は入院しています。
できた生地を縫製する工場では長時間労働、低賃金な劣悪な環境といわれています。なかには学校に通うこともできずに働いている子もいるそうです。
想いのあまりまた話が大きくなりすぎてしまいました。
とかく
僕らが当たり前に着ている服は、
誰かが命がけで作っているということを忘れずに
既に簡潔してしまった感じはありますが、
今日の本題は、ディギンタvol.1の続き
(ディギンタとは作り手の生産現場を訪れて「モノガタリ」を体感するイベント)
初めて、ディギンタを知った人は過去の備忘録をさかのぼってみてもらえたら
前回の見学を終えて、印象に残っているのは和田社長が言っていた後継者がいないということ。
それは、和田メリヤスだけではなく、同工場で織った生地を加工する工場、染色する工場でも同じ問題を抱えていること。
知っていた情報ではありましたが、現場レベルで生産者からの言葉は心に響きました。日本の素晴らしい技術がなくなっていくかもしない現状をなんとかしたい
見学が終えた日から自分に何かできないかということを考えてきました。
以来、社会貢献のためにファッションを楽しもうと決めました。
社会貢献というかなり幅広く、ぼんやりしてしまいますが、和田メリヤスの素晴らしさを自分なりに発信すること、延いては職人業界に目を向けてようと伝えることも小さいながら社会貢献の一つじゃないかと
そう考えて、もう一段階、踏み込みます。
和田社長から使用しなくなった生地いただきました。
これからするのは、「アップサイクル」
詳細は決まっていませんが
吊り編みで編まれた生地の良さは、長く着た人にしか体感できないこと。
通常の服は洗濯していくうちに伸びてしまう。徐々ではありますが、見え方が悪くなったり、着にくくなる。その結果、着なくなって捨てられることになる。
吊り編みの場合は、編みの構造上伸びに強いので、買った時の状態が継続している。だから着やすいし、捨てることはない。
革製品は使用しているうちに自分にフィットするように馴染みますが、革製品とは違うものの自分の体にフィットするという点は同じことが言えると思います。
生地の良さを体感できるものにアップサイクルします。
一人でも多くの人に知ってもらいたいですし、色んな人と共創的な形で表現できればいいなと考えています。
僕たちが不自由なくファッションを楽しめる裏側では、たくさんの人が命を燃やして作っているということ。
社会貢献のためにファッションを楽しむという視点を持ってみるのもいいのではないしょうか。