物言い

なんか寂しくね、着る側の人

時代の文脈やそれぞれの思想があってこそ、ファッションは生まれるし、変化していくもの。でもそれって、着る側にあんまり伝わっていない気がして。そもそもファッションに意味や思想を意識してる人が少ない気もする。デザイナーが服をどういう思いで作ったかっていうのを意識せずに、着てることの方が圧倒的に多い。買うときは店員さんからだし、デザイナーが直接出てくるわけでもないし。構造的に、物理的に、慣例的に不可能であるのはわかってるけど、なんか寂しい。いっそのこと、取り扱い説明書的なノリの思いを服に添えればいいのに。

なんか寂しくね、作り手の人。

コレクションとか見てるとほんと思う。あれは服を越えて、アートであってエンターテイメント、ごりごりの世界観、圧倒的な雰囲気に惹かれる。でも平均的な人の理解を超えてくる。いいけど、やりすぎる気もする。着る側に距離を縮めてもいいんじゃないとも思う。

着る側と作り手の距離が遠く、そのわりにブランドネームの距離は近い。だから、値段高いのに味が薄い料理が完成してるんじゃない。