ディギンタvol.1 和田メリヤス
服が好きで、すごく好きで
単純にどんな場所で、どんな人が作っているのか、どんな思いで作っているのか。
が気になっていて、知れば、自分の中で何かが変わるのでないかと
好きなこととか興味のあることを深く掘ってしまう性格で
服が好きになって数年たちますが、気づけばそこそこ深い境地まで来ちゃいました。
友達に今回の話をすると、
「熱量に引いてる、でも結構前から引いてるから大丈夫」と言われました(全然フォローになってない)
服を纏うことだけでは、満足できなくなってきました。
無知で服を持っていなかった数年前に比べると、数も知識もたくさん増えたわけですから
満足できなくなるのも仕方ないのかなと。
何か違った楽しみ方はないか、モヤモヤしながら過ごしていました。
・着火人(チャッカメン)の存在
僕は、「僕らが纏うモノ」というオンラインサロンに参加しています。
このサロンの発起人のダイキ君とフルエユウキの影響はすごく大きいです。たぶん、この二人と出会わなかったら、僕も自分で何かしようと思わなかったと思います。着火剤です。この二人は多くの人をわくわくさせてくれる着火人(チャッカメン)です。
チャッカメンの影響を受けて、僕の出身地である和歌山にある「和田メリヤス」に依頼しました。世界でも和歌山にしかない旧式の織り機があります。せっかくの貴重な機会なので、一人で行くより、興味のある人と一緒に時間を共有できた方がいいなと思い、普段お世話になっている Cafe884 の林さんに相談しながら
せっかくイベントするなら屋号的なの決めた方がいいなとなり
最終的には、フライヤーまで作りました。
・ディギンタとは
「ディギンタ」とは作り手の生産現場を訪れて「モノガタリ」を体感するイベント
英語のdig into 掘り下げる
からとってます。
・見学を終えて
和田社長のモノづくりへの情熱を感じました。
子供から生まれてから本当に貧しかったらしく、奥様からは、「私が働くから勉強して」と言われたそうです。
工場の勤務後にマイコン(パソコンの前身)を学ぶために夜間の専門学校に通い、終わるのは12時を過ぎていたとか。PC系だけではなく、経済や宗教などあらゆる分野の勉強をしたそうです。
実際に、機械を見せてもらったのですが、複雑な仕組みで素人が理解するのは難しい部分もありました。
同じ吊り編みから様々な生地が織られているのはびっくりしました。
驚いたのは、工夫を重ねて実践され続けているということ。
旧式の織り機を独自に改造していたり、特注で作ってもらってたり、特に驚いたのは、釣竿の重りや文房具のクリップなど本来は関係ないような物も用途に応じて使用していたことです。言われるまでは、織り機に必要な専門の部品にしか見えなかったです。
勉強してきたこと全てが業務に直結しているかはわからないですが、色んな分野にアンテナを張ってる社長だからこその発想や工夫なのかなと思いました。
社長は70歳を超えているのですが、向上心や探究心が本当に強い方です。
お話していただいてるなかで、どの工場の後継者がいないのが課題という社長の言葉に重みがありました。
''理由は儲からないから"
和田メリヤスで生産された生地を染める京都の工場が廃こうなったそうです。
今は和歌山で染めを請け負ってくれる工場を見つけている最中とのこと。和歌山で全てを完結する「メイドイン和歌山」商品を作るとおっしゃっていました。
・終わりに
初の試みではありましたが、生産現場を訪れることや作り手の思いを直接聞けるということは「モノガタリ」を体感できると確信しました。
この見学に参加しないとわからないことがたくさんありますし、人間味を感じることができました。
同じような思いを持っている人はいる。「次も期待している」とか「参加したい」と言ってくれる人がいたのは本当にうれしかった。
自分自身が人の感情を動かすことが少しはできたのか思います。
心に残るは、社長の言葉
日本の素晴らしい技術がなくなっていくかもしれない現状をなんとかしたい
見学を終えた日から
自分にできることは何かないのか
を気づけば考えていました。
自分のできる範囲でアプローチしていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
工場見学の日程について
和田メリヤスの工場見学の日程が決まりました。
11/10(日)14:00〜
お昼に参加者で集まって昼食をとって、見学を予定しています。
高級ブランドを身にまとうことがステータスだった時代から買い手の意識がクラフトマンシップ(作り手の思い)を理解して買う方向にシフトしている気がします。
バックボーンを理解すること、つまり深く掘るということ。
当たり前のことですが、掘った先に見える景色は掘った人にしか見えないです。
良いモノをまとうとか何か。
何が「良い」ものかということについて焦点を当てていければと思います。
熱意を伝えるという事は、その反面参加者のハードルを上げてしまう要素をあるのかなと感じます。
服が好きとかオシャレとか関係なく
興味のある人なら、誰でも参加できるカジュアルな会になればと
なかなかない機会だと思いますので、興味のある方は連絡いただけたらと思います。
工場見学
和歌山市にある和田メリヤスという旧式の織り機がある工場に見学が決まりました。
どういった内容なのか、いつ開催するのか、何人参加できるのか、その他諸々が全然決まっておりません。
そのくらいタイムリーな事でして、色んな人に相談しながら詰めてるところです。
和田メリヤスさんに声をかけて実現するわけなんですけど、工場見学ができるなんて思っていなくて、HPには見学について掲載されていないし、断れたらどうしようとか色々考えましたが声かけてみるものですね。
プロレスラー内藤哲也は熊本で興行があった際、
「変わろうとしないこと、諦めないことももちろん大事。ですが、変わろうとする思い、変わろうとする覚悟、一歩踏み出す勇気も同じくらい大事だと思う」
と言いました。
人生のなかで一歩踏み出してたからこそ見れた景色ってあると思います。
僕自身、その経験があったからこそ、楽しそうな事があれば踏み出してみます。
一歩踏み出す勇気の大事さを知っているだからこその行動なのかな。
この見学を通じて、和歌山の良さも感じてもらえば嬉しいなと思っています。
和歌山に住んでる人も住んでない人も。
何もないと言われた和歌山に素晴らしい技術を持つ工場があるってことを知ってほしい。
cafe884の林さんと話しました
デニムストリートならぬ
吊り織り機で織ったスエットストリートとかできれば面白いねって
いつか、実現させたいな
詳細は、また言います。
遅らせながら19ss作ってます
もうそろそろ、AWのファーストデリバリーが届き始めている時期ではありますが、SSのパンツを打ち合わせ最中、暑い時期に間に合うのか少々不安です。
今回作るのは、「ランチパンツ」
ランチパンツを簡単に説明すると、1950~1960年代に普及したサイドジップのデニムパンツのこと。当時は女性用として考案されたものでした。
少し、深いところまで掘ると、実は、アメリカで1920~30年くらいからランチパンツは存在していました。(カウボーイの年代)
1929年に世界恐慌が起こり、アメリカ経済は低迷期を迎えました。牛肉の価格下落に伴い生活に困窮した西部の牧場主たちは、東部の富裕層に牧場に足を運んでもらい牧場生活を体験してもらうという、いわば牧場観光ツアーを始めました。そこで、女性労働者が履いていたジーンズがランチパンツの起源といわれています。(諸説あります)
東部の富裕層がより、リアルな西部の牧場主たちの生活を経験したいということで徐々に普及していったとそうです。
今でこそ、フロントにボタンやジップがあることに抵抗はありませんが、当時は女性には抵抗があったみたいで、サイドにつけられたそうです。
最後に、ランチパンツを作ろうと思ったきっかけについて
一番の理由は、シンプルだから。無用の長物までとはいいませんが、それに近い感覚。うまく表現できませんが、
例えば、フォーマルな格好と決めた日に、合わす革靴のシューレースにすらカジュアルさを感じてしまう気持ちと同じような感覚と言えば伝わりますかね。
フロントにボタンやジップがあるとどうしても膨らみができますが、フラットに履けるランチパンツは、ジーパンと違う。Tシャツをタックインした時の見え方は、最上の境地。
無駄がなく飾り気のない見た目だからこそ、飾りたい。
alvanaの白Tシャツ
最近感じるのは、自分は単に服を買っているのではなく、ストーリーごと服を買っているのだと。
今回紹介したいのは、alvanaというインナーをメーンに展開しているニッチなブランド。
まず、使用されている生地がピマコットンと呼ばれるコットンの中でも最高級なレベルのもの。特徴としては、細い番手なため、シルクのような光沢があること。
さらに、旧式の吊機で編んでいること。吊機とは、写真のように吊られている編み機のことで、1960年代くらいまでは第一線で活躍していたが、大量生産、大量消費という時代の波が押しだされるように姿を消していきました。この編み機は現在の編み機と比較すると15
分の1程度の生産量といわれており、だいたい、一つの編み機で織ることができるTシャツは1日で12~13枚だそうです。
現在の織り機は高速で糸を強制的に張ってテンションをかけて織りあげるのに対して吊機は低速である程度糸をリラックスさせながら糸に負担をかけないで空気と一緒に織っていきます。この織り方により生地感は柔らかくかつ強度は現在の織り機の生地より強くということが実現されます。
なので、洗いこむほど良さを感じれます。
よく馴染んでくるんです。
普通は洗濯するほどヨレてきますよね。
事実60~70代のTシャツやスエットが今もなお、重宝されているのは着やすいというのが理由だと思います。
追記として
現存する吊機のほとんどは僕の出身の和歌山にあります。
生産性が問われる時代なので、吊機は壊れていくいっぽう。新たに作られることはないそうです。
だからこそ、みんなに着てほしいし、知ってほしい。
個人的なエゴですが。
モノだけではなく、ストーリーごと買い物してみてください。
alvanaはストーリーを感じさせてくれるブランドです。
最後にラグラン好きの僕からどうしても言いたいことがあって、このTシャツ「ラグラン」なんです。
以上
ずっと変わらないものかっこよさ
先日、プロレスラーの長州力さんが引退しました。
若い世代の人は、たまにバラエティに出てる滑舌悪い人ぐらいの印象だろうが、僕にとっては、ヒーローの1人。
当時、混沌とした専制政治のトップ猪木や藤並に楯突いたあの時の長州は輝いてみえました。新日本隊と維新軍の戦いは今もなお、褪せることなく語り継がれる。まさにヴィンテージ。
自分が思う道を貫く、
長州イズムを引き継いでいきたいですね。
ずっと変わらないもののかっこよさということで
30sのスラックス
ベルトループがなく、吊る式のサスペンダー
ヘビー級のレスラーでも履けるんじゃねってくらいウエストはゆるめ
写真では伝わりにくいんですけど、すごくシルエットが独特でいい
この年代に多く見られる形なのか、どうかはわかりませんが、いくつかこの形を見たことがあります
ヒップに独特の膨らみが出来て、足の付け根の部分から裾にかけてストンと落ちる
ウエスト幅に対してのヒップ幅の広さとそれに伴う尻ぐりの長さが自分の持ってる現行品のワイドパンツと少し違う、あと縫製も違うと思う。見た感じですけど、その辺に詳しい人いれば教えていただきたい。
あと、シンチバックをぎゅっと絞るとシルエットにメリハリがついていいんです
生地はコットンウールと混紡
これからの時期は暑いけど、基本的に長いシーズン使えそうなくらい
ストライプっていうのが珍しくて、古い年代であるほど、単色のアイテムが多いんです
しかも、デットで出会えたのは運が良かった
マーベルトとヒップの当て布が施されてるのがいい。
マーベルトは、インナーのシャツがズレてこないように付けられたもの
ヒップの当て布は、ダメージが激しいので付けられたもの
この年代のいいと言われてるスラックスに見られるディティール。
ずっと変わらないもののかっこよさを感じてください。古着屋行くもよし、youtubeで長州を見るのもよし。
ブラックリネンのワークスモック
20世紀初期頃までにつくられたブラックリネンのワークスモック
家畜の仲介人たちが着てた仕事着
光の当たり方によって色味が変化するブラックカラー
色がしっかり残っていて、光沢感は少なめ
油分は少なめで、さらっと乾いた質感の目の詰まったリネン生地
年代を経て表情をもった生地は、現代の技術では決して作れない特別な魅力がありますね
織糸が細く目の詰まった生地を使用したのは、動物の毛が付きにくく、払いやすいようにするためと言われてます、こういう実用的な所もいい
ネック周りステッチ、ネックや袖口、バックの細かいギャザーは圧巻
スモックは布を纏うようなデザインなのでギャザーがたっぷり入っている方が美しくみえる
少し残念な所は
ネック部分は金具で留められる事が多いのですが、紐に変えられてる
袖のボタンも取れたんでしょうね、プラスチックになってる
だから、少し安かったのかな
何か代用できるものがあれば自分で変えてみようかなと思っています
さぁ、どういう着方をするか
それが一番楽しみ
ベタにワークパンツ、フレンチワークやデニムで合わせようかな
シャツ入れて、スラックスに革靴履いてクラシックにしようかな
一昔前のヨウジとかギャルソンと合わせてモードにもっていこうかな